いきなり戦争の時代じゃない!!
まずは、近代日本を知ろう!

このHP群をご覧の諸賢。
いきなり大東亜戦争(アジヤ太平洋戦争)ですか??
貴方の中で、ひょっとして明治は「坂の上の雲」だけですか??
貴方は戦前という時代について、どれだけご存知ですか?
知ってる人は確認を。
知らない人は改めて理解の上で、先の大戦とこれからの日本を考えましょう。

『明治大正昭和大絵巻』
大日本雄弁會講談社
キング付録より

昭和初期に描かれた、明治・大正・昭和の世の中を大変分かりやすい資料です。
ぜひ、ご覧の上、私たちのご先祖が生きた時代を実感して下さい。(主任研究員謹白)

 第1回 明治元年~明治十年まで 明治維新から西南戦争まで

第2回 明治十一年~明治二十八年まで 富国強兵と日清戦争

第3回 明治二十九年~明治四十五年まで 臥薪嘗胆・日露戦争を経て世界の一等国へ

NEW 第4回 大正元年~大正十五年 大正のデモクラシー(民権運動) NEW

NEW第5回 昭和元年~昭和5年 大日本帝國の責任と苦悩。そして悲劇と奇跡の昭和へNEW





第3回 明治二十九年~明治四十五年まで 臥薪嘗胆・日露戦争を経て世界の一等国へ




↑明治29年(1896年) 岩手県明治三陸大海嘯(大津波)。この悲劇を忘れた昭和八年にまたも未曾有の悲劇が襲う。そして歴史は繰り返した。
               北里博士はコッホの下で研究を続け成果を上げたが、国内の医者が嫉妬し猛反発。後藤新平の尽力で研究所の設置が実現した。


↑明治30~31年(1897~98年) 足尾銅山の公害に明治の義人・田中正造が立ちあがる。
同じ時期、紅葉山人の「金色夜叉」が大ブームに。後年、このタイトルだけで黄金バットの原作だと私に主張した猛者もいた。


↑明治33年(1900年) いよいよ20世紀。提灯行列の期限が皇太子殿下(大正天皇)御成婚であった。


↑明治34~35年(1901~1902年) 日英同盟の締結で日露戦争は不可避となる。学生藤村操の「巌頭の感」は悲憤慷慨名文の故を以て後年の学生にも愛唱された。


↑明治37年(1904年) 日露開戦!満州の荒野で、旅順の大要塞で決死の大戦闘が展開された。乃木第三軍は無理を承知で世界最強の要塞へ肉弾で臨む。


↑明治38年(1905年) 陸戦で押されたロシアはバルチック艦隊を極東に派遣。対馬沖の日本海で日本海大海戦がおこなわれ殆どが全滅した。


↑嗚呼!国民の総力を挙げ、精神の限りを尽くし、ついに戦は終わりぬ。万歳の嵐に迎えられる乃木将軍の心中や如何に?
*この絵巻に3回も出てくる乃木将軍こそ偉大な明治時代が生んだ英雄像であろう。それは孤高の最後の侍の姿ではなかったか?


↑日露講和のポーツマス条約に反対し、日比谷では焼打ち事件が発生した。無責任なマスコミの姿を垣間見る。


↑日露戦争が終わって早くも好景気による成金が出現。大正時代の前にこんな連中が出ていたことに注意すべきだろう。


↑明治時代は文化も盛んに。この桃中軒雲右衛門氏のレコードは飛ぶように売れたという。蓄音機黎明時代のスーパーアイドルであった。


↑梅ケ谷 対 常陸山。NHKの映像の20世紀最終回「JAPAN」で初の映像に残った横綱として梅ケ谷の雄姿を見ることが出来る。


↑明治43年(1910年) 大空の英雄 徳川・日野大尉の初飛行成功。実は日野大尉の方が初飛行だったと云うのは有名な話。
秋田県出身の極地探検の英雄・白瀬矗中尉は貧弱な装備ながら南極に到達。雪中を突破し、ついに進撃不能な地点で日章旗を打ち立て、「大和雪原」(やまとゆきはら)と命名した。余談ではあるが、この秋田県最大の英雄を讃え、秋田ふるさと村のイメージゆるキャラは「秋田犬ノブ君」と命名されている。


↑明治43年(1910年) ハレーすい星の大騒ぎは後年の漫画などにもいろいろ出てくる程有名。
佐久間艇長の最後は我国潜水艦発達に寄与しただけでなく、世界のサブマリナーに一つの精神的な模範を示した。


↑明治43年(1910年) 韓国併合 国際的な合法併合であり、韓国王族や貴族は日本の貴族院に列せられ、また良民には各種の保護が与えられるなど欧米の植民地支配とは天地程の差がある穏健な統治であったといえよう。確実に言えることは、朝鮮半島の平民の地位や生活が向上したことである。


↑明治末にはいわゆる女権運動家も出現した。


明治末には映画やスポーツも盛となった。ジゴマは本当に受けたらしい。


↑明治四十五年。栄光と動乱に明け暮れた明治時代が静かに終わろうとしている。
あともう少し遅ければ西欧列強の餌食になったかもしれぬ世界の弱小国ニッポンは、聡明で平和主義者だが決断力のある明治天皇を頂き、下は町人百姓の末端まで日本人としての誇りを内外に顕示し、挙国一致で世界の列強「大日本帝國」を築き上げた。
この明治の尊い時代精神を忘れることなく、現代の我々もまた日本と云う国を大切に守り伝えねばなるまい。

明治四十五年七月三十日

畏れ多くも、明治大帝は崩御された。

多くの国民が悲しむ中、最後の忠臣・陸軍大将乃木希典、静子夫妻は後を追って殉死した。


かくて明治は終わりにぬ。
2011年、まもなく明治の終わりからも100年が過ぎようとしている。我々はこの時代より少しでも前に進めたのであろうか??



明治29年~45年の巻 完

大正元年~大正十五年 大正のデモクラシー に続く

 

2009年/2669年?平和ミュージアム旧日本陸海軍博物館